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2016年12月21日水曜日

スマホ故障

2016.12.21

スマホが故障した。一ヵ月くらい前からどうもタッチスクリーンの反応が良くなかったのだが、最近めっきり酷くなり、ロックスクリーンの解除PINも入力できない、電話がかかってきても出られない、ということが屡々になり、修理頼むことにした。インストールしたソフトが悪いのではないか、保護シートのせいではないか、などとも思い色々やってみたが駄目だった。まだ我慢してできないこともなかったが、保証期間の内が良かろうと思ったのだ。

暫くは見知らぬ所に行くこともないし、電話は前から殆どかからない。スマホに慣れた身には少々不安感はあるが、具体的に困ることもなさそうだ。今日は、今月の白鳥寄席があるので出かけた。いい天気。
     着ぶくれどスマホ無き身は軽やかに

バスの中でメガネも補聴器も忘れてきたことに気づいたが、まあいいだろう。
スマホがないので電車の中では首の柔軟体操をしつつ頭だけが働く、先日書いたなんちゃって俳句の改良版を思いついた。
     ともがきはつつがなしやと燗手酌

寄席があるのは庭園の中の清羽亭(せいうてい)。上段、入側、一の間、二の間を通しにして行われる。庭園に入ると池にはカモメが沢山浮かび、鯉は水面で餌をくれろとパクパクやっている。カラスは地面の上の誰のためか判らぬ空のエサ箱にとまっている。スズメも沢山あちらこちらにピョンピョンと飛んでいる。清々しい朝である。

画像は白鳥庭園HPから頂きました
開場は9:30で、到着したのは9:45頃。途中には、掃除をする職員の姿がちらほら。玄関前の敷石にはまだ凍る季節でもないので打ち水がしてある。もちろん、掃き掃除も済んでいる。何時から働いて頂いているのだろう。無料の寄席のために・・・、頭が下がる。
     清々し冬の打ち水清羽亭

玄関で下足札を受取り、中に入るともうちらほらと客が座っている。入側の席を試したいとも思ったが、補聴器がないので少しでも高座の近くが良い。一つだけ残っていた最前列の奥に座ることにする。見ると、一番前の席の大半は新聞などで席取りされている。一旦来て庭でも見に行ったのだろうか。始まるまでにまだ30分以上ある。

何人かが席を立って廊下を歩いて行くのが見えた。その方向には立礼席の札が張ってある。そうか、時間までお茶を頂こうということだな。私も後に続く。靴を履かずとも立礼席に行ける。途中の渡り廊下は冷たくないように緋毛氈が敷いてある。
     冷え廊下緋毛氈踏み立礼席

立礼席に着くと、亭主は作務衣を着た爺さん。次々と客が来るのでひっきりなしにお茶を点てている。床の間には「吉祥」の掛け軸と紅白の山茶花(?)。外の池には相変わらずカモメが沢山浮かんでいる。ふと気がついたが、鴨などの水鳥に比べて喫水が浅い。比重が軽いのかな。
     紅白の山茶花なのか床の間に
     小春日に吉祥の軸晴れ晴れと
     寒椿のっそり覗く青い空
     軽々と水面に浮く冬鴎

菓子は織部の皿に、「冬ごもり」なのか、こし餡を羽二重で包みきな粉とニッキがまぶしてある。500円の代金を渡し、食べているとお茶が来た。茶碗は鶴の柄。その後、隣の2人にも茶が来た。柄は同じなのだがそちらのほうが貫入がくっきりしているし、器の厚みもあるように見える。
     冬茶会隣の茶椀上物に見え

前置きが長くなったが、寄席の席に戻った。
最前列にいた女性が高座の座布団を眺め回し、方向を正しく直していた。立派なものである。
     座布団を回して直す・・・   まとまらない・・・

先月は講談を披露した旭堂鱗林の司会で始まる。彼女は今日はこの後大阪に出かけるらしい。まずは所長の挨拶。夏の水やりを職員が丹精し、その後9月の有難い長雨で、今年は紅葉が綺麗だったと。なんとblogもあるようだ。
今日の出し物は、柳屋三亀司の曲独楽と立川こしらの落語である。
画像は白鳥庭園HPから頂きました

三亀司は私と変わらないくらいの爺さんなので、声が割れて補聴器のない耳には聞きづらい。観客を起こすためという時々の大声はありがたい。曲独楽のはずがなかなか独楽を回さない。回さないで喋るのが芸なのだそうだ。2・3回回して、最後の日本刀の上に乗せる芸はやらずじまい。師匠三亀松さんの都々逸「お前正宗わしゃ錆び刀 お前切れてもわしゃ切れぬ」を披露して、ごまかした。大いに笑ったが本当はできねぇんじゃないかとも思う。今度会ったらヤジってみよう。

続いて「こしら」。こちらは若くて声が大きくて大変よろしい。出し物は「元犬」。時間の関係か下げがもう一つだったが、噺の中では大いに笑った。

寄席がはねて一応お庭を拝見した。土の上に枯れた松葉を敷き詰めて飾ってある。我が家でも真似したいが、多分犬の足に刺さってまずいだろう。
     寒空や松葉敷きたり庭の道

今日はハイテク用品を一切持たないお出かけであった。これも中々良いかと思った。
     字も読めず噺も聞こえず心冴ゆ




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