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2018年6月2日土曜日

東北で気づいたたこと

2018.6.2

東北で気づいたこと。また来たい。

(1) 東北の蕎麦はデカイ
(2) 東北の人は暖かくて親切

詳しく知りたい人は以下をご覧ください。

1. 東北の蕎麦はデカイ
山寺の近くの美登屋の板そば。1.5人前と言われて注文したが、どうみても3人前あるだろう。

翌日は中尊寺近くのお店で、セルフわんこそば。段々量に慣れてくるのが怖い。



2. 東北の人は暖かくて親切
 ここに書ききれないくらい他にも暖かくて親切な人はたくさんいたが、特に強く印象に残った人たちだけにしておいた。

 書き残したのは例えば、鶴岡市湯野浜のよろずやのおばあさん。いかそうめんという名のスルメをつまみに買ったら、ただでさええらく安いのに、自分が歩けないからごめんねとニコニコして値引きしてくれた。御年90歳で、娘は孫を連れてプールに言っていると話はどんどん続いていった。

(1)高砂屋本館の女将さん
 山寺直近で唯一の旅館、高砂屋の女将さん。到着したのはチェックイン時間前にもかかわらず、そんなことどうでもいいとばかり部屋の説明を終えると、直ちに山寺観光のコツを地図を使って懇切丁寧に詳しく教えてくれた。どういうルートで回るといいか、下から全景を見るにはどこからが良いか、夜はライトアップがある等。ライトアップは当日行われるかどうか、ワザワザ確認に出かけてくれた。

 また、私が参拝を終えた後、「奥の院近くでセミが鳴いていた、まさに『閑さや』ですね」という話をした。その時は女将さんも聞いたことが無いようで、そういうこともあるかもねということで終わった。翌朝お別れをして車に乗って次の目的地をナビに入れながら見ていたら、女将さんが通りかかった女性を呼び止めて話している。次のお客さんを見つけたのかと思ったが、その後こちらまで走ってきてドアをノックする。びっくりして窓を開けると、先ほどの女性は上に住んでいるお坊さんの奥さんで、セミの話を尋ねたところハルゼミが5月始めころから鳴き出しているらしいとわざわざ教えに来てくれたのだ。勿論、次の目的地に向かう前にオススメのスポットで山寺の最後の景色を楽しんだ。


(2)鉄瓶屋和秋さんのご夫婦
 岩手県に行くのだから鉄瓶が買いたかった。妻は、断捨離の方針に反するので、初めはあまり乗り気ではなかったが、あちこち見ているうちに少しづつその気になってきていた。とどめは昼食の後、私がホテルの売店に並べてある鉄瓶の横に鉄瓶の工房の小さなカードを見つけたことだ。その日はもう予定が無かったし近いから、行ってみようかと言うと、妻が俄然やる気になって、今日開いているかわからないから電話をしようと、電話をかけ始めた。開いていると分かって、直ちに出かけた。こっからはもう妻の独壇場である。



 工房に着いて中を覗くがガランとして誰もいない。
写真は許可をもらいました
 おかしいな、どこにいるのかなと、住居らしき方に行くと女将さんが上がりかまちに座っている。電話をした者だと言いかけるともう、よくいらっしゃいましたとニコニコしている。住居の方には製品がたくさん並べてあり、色々説明してくれた。ホテルの売店でみつけた銚子という名の酒燗用鉄瓶を手に取り、これで水を沸かすこともできるのかと尋ねると、聞いてくると言って消えていった。

 そして、ついに職人さんの旦那さん登場。銚子は内部がガラス質で覆われているので水を沸かしても肝心の鉄分がでないのだそうだ。酒は味が変わるから出ないほうがいいのかもしれない。鉄瓶としては(狭義の鉄瓶ではないのだろうが)形が面白かったので残念。

 この辺で、奥さんはどうぞとお茶を出してくれる。元に戻って小さな鉄瓶はないかというと、旦那さんのご推薦がこの写真の物。これはまだ作ったばかりの新製品とのこと。我が家はそういうのが大層好きなのだ。確かにショップでは見ていない形だ。初めはよくある黒色の物を見せてくれたが、眺め回していたら他の色もあるよと茶色がかったのを持ってきた。これいいなあということでまた見ていたら、この中間の色もあるよと紫がかった色の物を持ってきてくれた。しかし、取っ手がついていない。まだ製造途中で、10分くらいあれば取っ手も付けてられるとのこと。この色物2つで迷っていると、旦那はどこかに消えた。その間、私は新しい紫系がいいと思ったが、妻は更に眺め回して、蓋のつまみの形が茶色系のほうが大きくて細工もあり、良いと言い出した。旦那がまた現れると取っ手のついた紫色を持参していた。取っ手を付けてくれていたらしい。妻がこのつまみがいいのよねと残念そうにブツブツ言うと、旦那は畳の方にある別の鉄瓶から妻の希望の形の蓋で色が紫系という満点の物に載せ替えた。蓋としては同じ型から作っているのだからいいのだそうだ。これでもう満点だということで、それをいただくことになった。小さな鉄瓶で値段もたいしたことないのにこの懇切丁寧な対応だ。

 そして話はここで終わらない。支払いが終わると奥さんが妻に何やら説明している。どうやらこの当たりで訪れるといい名所を紹介してくれているようだ。川下りをするならげいびけい(猊鼻渓という漢字は後で調べて判った)、旨い団子があるのが厳美渓だという。肌寒くなってきていたから、私は即座に団子を選択した。すると、団子屋が二箇所あるとまた言う。昔からある場所が郭公屋、もう一つ最近旨いのは滝見だんごらしい。そして郭公屋では団子が空を飛ぶし、それを体験できるらしい。和秋に紹介されたと言えばよいと言う。空を飛ぶ??!!体験??!! 何のことやらわからないが面白そうなので取り敢えずそちらにいくことにした。
 出掛け、ご主人は山野草もお好きらしく、家の中や工房の周りには沢山の植物が並べてある。この話でもひとしきり盛り上がる。


 さほど遠くはないところだったが、思ったよりは遠かった。

(3)郭公だんごの皆さん
 着くと団子屋は前払い。晩飯も近いので一番少ないのを注文しつつ、体験ができるんですか、和秋さんに紹介されてきたんですがと言ってみる。受付のおばさんは初め鉄瓶屋の場所を聞いているのかと思ったようだが、団子を飛ばすんですよねぇというと分かったようで、下に行ってもいいし二階に行ってもいい、取り敢えず席につけ、とまた謎めいた言葉を残して消えた。ややぶっきらぼうである。

 団子屋は綺麗な渓流の隣にある。渓流が見える窓側が良かろうと座ると団子が来た。型で作ったような薄い円筒形だ。ちょっと残念な気になりかけたが、一口食べるとこれが旨い。こし餡も、黒ごまも、砂糖醤油の葛餡も、餅も、全部驚くほど旨い。旨い旨いといいながらふと隣の席を見ると、その向こう川の対岸にこちらからワイヤーがかかっている。見ていると、そこをザルが行ったり来たりしている。ああ、これのことだったか。対岸を見ると、対岸にもお客さんがいて、後でわかったことだが、そちらからザルにお金を入れて注文するらしい。館内を見回すと、昔は飛行機型の入れ物が行き来していたという写真が飾ってあった。


時代物のオーディオセット?

昔の関係者?

  団子を食べ終わり、しばらくザルの行き来を見ていたが、体験というのをしてみたいと、立ち上がっておばさんに言うと、二階に行けという。誰でも体験できるようだ。二階に上がるとすでに女性客が一人ザルについた紐を引っ張っている。結構な長さだから大変そうだ。記念写真やら何やら撮ってくれて大騒ぎである。これが体験かと納得する。客にやらせるとは、面白いことを考えたものだ。
 我々もその後店員さんの大騒ぎに流されながら夫婦交代で体験を終わり、次の客2名に体験を引き継いだ。その客が1、2回ザルに挑戦した時、下から「団子終了〜」の声。我々はラス前だったようだ。ラッキーであった。記念撮影を済ませ、下に降りるとテイクアウトの団子を買いに来た客が次々来るが断られている。可哀想。
 ぶっきらぼうのようで、随分楽しませてくれる団子屋であった。館内に古いテレビ番組で有名人が体験をするビデオが流れていたが、普通の客にもやらせてくれるっていいよね。

(3)ばんじ家の女将さん
 秋保温泉という温泉街がある。結構大きい。「秋保」は読み方がわからなくてナビに入れるのに苦労した。そこに「ばんじ家」というホテルが有り、そこに泊まった。元は国民宿舎だったのだとは翌朝聞いた話。チェックインすると、飲み物券をくれる。夕食の時焼酎やウイスキーの水割り等が一人一杯づつ飲めるらしい。まあ良いところという第一印象を受けつつ、部屋に案内してもらう。案内の若いお兄さんはまだ慣れないのか、一生懸命で可愛い所満載である。
 落ち着いた後温泉に入る。はるか下の渓流沿いの林に面した露天風呂もあってなかかな気持ちの良いお風呂。風呂上がりに一杯でもと自販機を見ると、ビールの大きい缶が400円だという。普通500円だよね。これはますます良いところだという第二印象。しかしビールは腹がふくれるのでと角瓶の水割りを買う。これは他所と同じ300円。
 時間が来て、さあとレストランに向かう。すれ違う従業員の人たちの笑顔の挨拶が気持ち良い。テーブルについて、例のサービスの飲み物を頼み、食事を始めると、ニコニコ顔の女将さんが升に入ったグラスの酒を持ってきた。浦霞だという。ここから近い塩竈の酒である。好きな銘柄である。サービスだという。何故!と驚きだ!! 
それを、旨い旨いと飲んでいると、また持ってきた。どこかの客が飲めないと断ったらしく、それが私に回ってきた。何というよい所という第三印象。

酔いも回ってピンぼけ

 美味しい食事を終わった後、ロビー兼売店で窓の外の木々を見ていて、そこにあるジュークボックスに気がついた。横に曲のリストがある。オールディーズ山盛りである。山の中のホテルにジュークボックスとは、これは面白いと二曲くらいかけてみた。ちゃんと鳴る。何と無料である。

 翌朝女将さんに話を聞くと、ドイツから取り寄せたもので、近々修理が必要らしい。客が楽しんでくれるからとのこと。




(4)樹乃詩の女将さん
 秋保温泉から10kmくらいのとろこに、秋保大滝というの滝がある。何と国の名勝に指定されており、日本の滝百選の1つ、一説では日本三大瀑布の一つだという。この滝も、その前のお不動様もそれはそれで中々であるが、今回の主役はそれではない。
 

 秋保大滝の直ぐ側に、木とうるし樹乃詩というギャラリー兼店舗がある。滝に向かう途中から看板が気になっていた。仙台に移動する前にちょっと寄ってみた。

 中にはでかい犬が・・・。すぐ起きてきて挨拶してくれた。デカくてもかわいい。12歳になって結構弱っているらしい。犬の話で女将さんと盛り上がる。何と名前はマック。うちにいた犬はマックスであったが、しばしば短縮してマックと呼ばれていた。女将はコーヒーをドリップし始めて、どうぞと漆の器で出してくれる。漆のカップは手に優しく、味は旨い。

 続いて木工やら山野草の園芸の話で盛り上がる。剪定枝で写真立てを作ったと言うと、こんなのも作ってはどうかと作品を見せてくれる。売りたいという様子ではない。
  色々話を聞くと名古屋の有名うなぎ屋蓬莱軒の女将がここのデカいテーブルを展示会で見て即決買っていったらしい。聞いた印象では、巨大な中空の木の輪切りの天板ではないかと思った。見てみたいものだ。ご夫婦は関東から来られたのだそうだ。
 帰る前に妻は申し訳のようにスプーンを2本買った。
 


 
 東北の人は優しい。なんだか、飲み物・食い物を出されて気に入ったように聞こえてしまうかもしれないが、そうでもないんだよ。

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